デヴィッド・木下:スケジュール

プレスリリース

青森県六ヶ所村核燃料再処理工場の使用済み核燃料が海に投棄されている問題を多くの国民に知らせてください

プロサーファー 木下デヴィット:2007年11月21日

今、海が大変なことになっています。

青森の核燃料再処理工場が大量の放射能を海や空に流しています。
はじめは6月に本格稼働ということだったのですが、耐震設計ミスが明らかになり、稼動時期が11月に延期され、更に来年の2月に本格稼働は延期とのことです。しかし既にアクティブ試運転の名目によって大量の放射能を海や空に流し続けています。本格稼働が開始されると年間に四万七千人もの経口急性致死量に相当する放射能を排出することから、「今世紀最大の海洋汚染」を引き起こす危険性が警告されています。

昨年11月18日には原子力発電所の排出濃度の基準値の約1400倍のトリチウムが海に流されました。放射能は親潮(千島海流)に乗り、三陸海岸の漁場はもちろんのこと関東地方にまで放射能が深刻な海洋汚染を引き起こすことが確実視されています。放射能は近いから濃く、遠いから薄いというわけではありません。遠くても放射能が濃いということがイギリスのセラフィールド再処理工場でわかりました。この再処理工場からノルウェーの北側そして北極圏にまで達したことが観測されています。20年前はドイツの海岸ではアザラシが大量に死に、海水浴も禁止になりました。放射能は核種によって1万年以上消えることはありません。

放射能というものは水俣病における有機水銀のように濃縮され、海産物に蓄積されます。白血病、免疫低下、DNAは傷つけられ、子孫の子孫…まで被害が及びます。セラフィールドの工場付近では子どもの白血病が有意に多いことが問題視されています。ヨーロッパ人は日本の10分1しか海産物を食べません。そのため、日本人の人体への影響は図りしれません。

トリチウム、クリプトン85について、分離除去技術の目処がついているにかかわらず、除去装置の設置はなされていないことも非常に問題です。これはイギリスの処理工場に設置していないため、日本にも依頼があったといわれています。日本の核廃棄物はイギリスの工場が引き受けていたので、裏で取引があったと思われます。またトリチウム除去装置は値段が高く、日本が設置するとイギリスが叩かれるためです。ですから、日本は設置できるにもかかわらず、このような事情によって設置を怠っているのです。

排出はせめて除去装置を設置してからにしてもらいたいという旨、事業主の日本原燃梶A設置県の青森県知事に申し入れをしているのですが、いまだに誠意ある回答が得られておりません。現在多様な人々の署名運動により、10万人を超える署名が集まりました。私がこの問題を知ったのは今年の7月で、それまでは2万5千人の署名でした。この4ヶ月間でたくさんの署名をサーファーが集めました。三陸の海を放射能から守る会、生協、サーフライダーファウンデーション、全国ネットワークなどこれからもたくさんの署名が集まることでしょう。しかし署名を増やすには時間がかかり、その間に放射能投棄は続けられるのです。メディアがこの問題を取り上げてくれない限り、日本国民はこの事実について知らされることなく汚染された海産物を食べ続けることになります。また皮膚を通しての被曝被害は確実です。海女さん、海水浴客もですが、年間を通じて海に入っているサーファーにとって、この問題は深刻なのです。

先月私は国会議員会館にも行き、たくさんの議員秘書に会ってきました。しかし秘書もこの問題を初めて知る人ばかりです。また11月5日に参議院議員会館第2会議室で経済産業省、農林水産省、環境省の担当官に出席してもらい、署名提出と私たちの要望開陳、これに対する国の見解、質疑が行なわれました。

この中で驚いたことは環境基準に放射能、トリチウムの排出規制が無いことです。つまりどんなに排出濃度が濃くてもチェックされないのです。これらの放射能に関する法律は再処理を推進するための都合のよい法律で、原子力を推進する側の人たちに有利な法律なのです。

そこで私は担当官の人たちに、安全ならば六ヶ所村の海で泳いでくださいと言いましたが、彼らは何も言えませんでした。しかし唯一の反論が「車の排気ガスの排出口に口を当てて呼吸をしたら人間は20分で死にます。」という発言でした。私たち署名提出者はただあきれるばかりでした。この排気ガスを例にとった反論は、もうすでに大量の放射能を海に流し、これからも流し続けることを認めたことです。

このような深刻な現実をテレビやメディア関係者がもっと理解して欲しいと思います。これを読んでいただければ放射能汚染は起きてからでは遅いということが理解できると思います。このことは広島・長崎を経験した日本国民だったら解ることではないのですか。デンマーク人の母親をもち、プロサーファーとして世界各地を転戦してきた私には、日本でこのような汚染が見逃されていることが理解できません。

この問題についてこれからたくさんのサーファーや漁業関係者、自然を守るさまざまな団体が立ち上がるでしょう。しかし繰り返しますがそれには時間がかかります。このムーブメントを加速するのにぜひメディアのみなさんの協力が必要です。NHKは唯一電力会社=スポンサーの圧力のかからない報道機関です。だから私たちはこのお願いを真っ先にあなたがたにすることにしました。どうか私たちの願いを聞いてください。

自分たちの食・住・衣も守れないなら…

プロサーファー 木下デヴィット
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